ペットロボットの利点-アニマルセラピーを手軽に
ペットロボットの中にはアニマルセラピーと同様の効果があることが確認されているものがあります。
人は動物と触れ合いコミュニケーションをとることで、楽しみ・安らぎ・癒しを得て、ストレスが軽減されることが確認されており、積極的に動物と触れ合うことで人に良い影響を与えようというのがアニマルセラピーです。
動物とのコミュニケーションは年齢にかかわらず人に良い影響を与えることが確認されているので、子供からお年寄りまで積極的に取り入れていけます。
ただ、動物の飼育は困難な場合があるので、このアニマルセラピーをロボットで再現しようとしたのがロボットセラピーで、ロボットでも良い影響が出ることが確認されています。
ペット型に限らず、人型のおしゃべりロボット(会話ロボット)も介護施設で有効であるというデータが得られており、利用採用が広がっています。
介護施設でペットロボットの実験、効果を実証
ロボットペットの最高級品、パロは介護老人保健施設で実際に利用され、実証研究が行われています。その中で、
- 心理的効果:うつ状態の改善、活力が上がる
- 生理的効果:ストレスが軽減されていることを尿検査で確認
- 社会的効果:会話の増加
が確認されています。
効果が認められ介護施設でも活躍
また、認知症患者の場合では問題行動が「行動障害尺度」で112点中68点もあったのがたったの10点にまで軽減されるのが確認されました。 その効果からアメリカの食品医薬品局・FDAからは医療機器としての承認が出ています。
日本以外の国でも活用されており、デンマークでは70%以上の地方自治体で導入さるなど、ロボットセラピーは確実な効果とともに世界中の医療・介護の現場で広がっています。
上記の効果を実証したのはパロですが、そのほかの1万円台の安価なロボットでもストレスの軽減、認知機能の向上、睡眠の質の改善が確認されています。
会話型のコミュニケーションロボットの効果も研究で実証
このように、パロ以外のペットロボット、おしゃべりロボットでもある程度の効果が得られると考えられ、その効果を得るための核はコミュニケーション能力です。
コミュニケーションとは、なにも言葉を使って会話をすることに限りません。こちらの行動に対して適切な反応が返ってくることがコミュニケーションです。
パロほどでないにしても、コミュニケーションをとって楽しみ、可愛がることができるものであれば、ロボットセラピーに役立ちます。コミュニケーションの質は高いほうがよいので、そのためには反応が豊富、こちらの動作に応答してくれる機能があることが望ましいです。
テレビなど一方的に受け取るものと違い、こちらから行動してそれに応答をもらう、この流れが重要です。
高級品でもペットよりは経済的
パロは40万ほど、家庭向けのペットロボットでもいいものは5万円ほどと決して安いとは言えません。 でもペットを飼うことを考えるとそれでも安いです。
小型犬や猫でも
- 餌代:4000円/月
- 予防接種:2~3万円/年(ワクチン、フィラリア、狂犬病)
- 病院:1回3000円ほど
- その他:お手入れグッズ、トイレ、トリミングなど
エサ代だけで本体分
必須のエサと予防接種だけで、年間6万円以上。道具を揃えたり、病院に行くことを考えると8万円/年は最低限見積もる必要があります。
そして、ペットの購入代。無料でもらえる施設もありますが、もしペットショップで購入するなら人気のもので30万円、安くて5万円程度。
5万円で購入しても、最初の年だけで最低で11万円、余裕を見ても13万円はかかります。
ペットロボットなら、本体代金以外は電気代なので充電式なら維持経費はほとんど発生しません。乾電池式でも餌代に比べれば1/10にもなりません。 10万円以内で手に入るペットロボットなら、犬・猫を飼う場合の初期投資額にも満たないわけで、かなり経済的ですよね。
アレルギー・噛みつきなどの健康への心配がない
安心の人工毛
ペットを飼う場合注意が必要なのがアレルギーへの対応です。動物毛へのアレルギーがあると、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ、症状が重いと、じん麻疹、呼吸困難などが引き起こされます。ペットを飼う場合は家に連れてまえに家族にアレルギーがないか、検査するか、動物に触れてみて確認する必要があります。
ペットロボットは人工毛を利用しているのでこういったアレルギーへの心配はありません。アレルギーは主にタンパク質への反応で起こります。例えばホコリアレルギーであっても、ホコリ中のダニやダニの糞、人の毛、カビといったタンパク質を含む物への反応です。
ロボットに使用されている人工毛は化学繊維なので、タンパク質がありませんので、これ自体がアレルギーの原因にはなりません。
また、ペットは噛みつき、ひっかきといった怪我を起こす行動をとることがあります。小さなハムスターだって噛みつきます。子供が飼い猫に指をかみちぎられる事故も発生しています。
ロボットならこのような事故の心配もいりません。糞や外から病原菌を持ち込むといった衛生面への心配も不要です。
このような、健康面、衛生面への利点が、施設での利用拡大を後押ししています。
アパートでも施設でも、環境を選ばない
施設でもOK
アパートではペット不可のところも多いですし、多くの人がすごす施設では動物を連れてくることが許可されていない場合が多いです。
また、ペットが夜に騒いだり鳴き声がうるさいと、家族や近隣住民に迷惑がかかることがあり、ペットを飼育できる環境は限られています。
その点ペットロボットであれば迷惑がかかるほどの音は出ませんし、動作してほしくない場合は電源を切れば問題ありません。
玩具扱いなので施設、アパートどこでも利用できます。ペットロボットを好まない人がいる場合は電源を切って片づければ済むので、人に迷惑をかけることがありません。
導入のハードルが低い
気軽に導入できます
さて、ここまでペットロボットの利点を書いてきたわけですが、では本物のペットよりロボットが優れているのかと言えば、必ずしもそうとは言えません。
生物だからこそ出てくる独特の動き、自然な反応、成長と変化。ロボットも生物をお手本に作っていますが追いついたとは言えません。
動作のパターンは生物なら無限ですがロボットでは限られてしまいます。動作の速度も生物には及びません。
ですので、本物の動物とまったく同じ体験が得られるとは言えません。
しかし、ストレス軽減などが確認されている通り、ペットロボットから良い効果が得られることは確かです。「合わなかった」と感じたときは使わなければ良いだけ。お金はもったいないですが、ペット飼育では、合わなかったといって片づけるわけにはいきませんよね。
ペットを飼うのが難しい、飼育はハードルが高い、そんな方はぜひペットロットをお試しください。癒されますよー。